2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

トマ・ピケティの解釈に対するリチャード・クーのコメント

かつての世界的なブームが嘘であったかのように言及されることのなくなったピケティの著作だが、リチャード・クーの近著で久しぶりにあの書籍に対するコメントを見た。もっとも、その後、一部界隈では、「バラモン左翼」なるキャッチフレーズが話題になってい…

国債は負債ではなく資産???

最近、「国債は負債ではなく資産」なる誤解を招きかねない表現を目にして、私は心の中で大声で次のように叫んだ。「違うだろ、このハゲ~!」(©豊田真由子)。 改めて説明する必要も無いが、国債は政府にとっては紛れもなく負債であり、民間にとっては資産で…

「殴る相手」

元・厚労省の官僚で、労働法・労働政策の研究者である濱口桂一郎氏のブログに「殴る相手」なる一寸変わったタイトルのエントリーがあったので覗いて見たのだが、、、http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-712841.html いや、だいたい想像でき…

ビタミンD仮説(?)終了のお知らせ

事前にバイオバンクに登録・保管されていた血液サンプルを用いたUKの研究。グラスゴー大学の研究者によるもの。https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1871402120301156?via%3Dihub 表面上はビタミンDと関連があるように見えるが、交絡要因を補…

先日のEurekAlert!のビタミンDについての記事を、、、

「リンク・デ・ダイエット 世界の最新健康・栄養ニュース」が取りあげていた。分かりやすく解説してくれているので、一読をお勧めする。https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=70684&-lay=lay&-Fin…

どうやら銀行は自助努力をしていたらしい

興味深い記述を見かけた。以下は『「追われる国」の経済学 ポスト・グローバリズムの処方箋』(2019,リチャード・クー,東洋経済新報社)からの引用である。 「こうした反対の大合唱によって、不良債権の処理は2年間先送りされた。しかし、日本の銀行は1995年か…

High doses of vitamin D supplementation has no current benefit in p reventing or treating COVID-19 | EurekAlert! Science News

高用量ビタミンD補充などという文字を見て腰を抜かしそうになった。脂溶性のビタミンなのだから、まず、過剰症の心配をしてほしい。https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/uos-hdo052120.php 記事中で紹介されているBMJ,Nutrition,Prevention and…

何故この時期にマイナス金利???

昨今の混乱に乗じて、マイナス金利の導入を唱えている人がいるらしい。私など、銀行の経営状態を悪化させて、手数料の値上げを促すだけではないか、などと思うのだが、何かメリットがあるのだろうか?https://himaginary.hatenablog.com/entry/20200512/the-…

慌ててサプリなどを買い込まないように

海外の記事をそのまま紹介した情報が出回っているようだが、記事の基になった論文は問題探索型の簡易調査で、因果関係を証明したものではない。Vitamin D Insufficiency is Prevalent in Severe COVID-19 https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.2…

統合政府とかいうタワゴト(4)

議決権の無い株式を何割所有していても、普通は、その会社を子会社と見做す事はないだろう。それは、単に、配当収入の源泉の内の一つに過ぎない。ここを間違えるようでは、実際には、中小企業診断士の業務はまともには務まらないだろうと心配になる。 以下の…

通貨は納税によって破壊されない

以下の引用に示されているように、通貨は納税によって、金融市場から一時的に外に出るだけで、決して破壊されるわけではない。また、外に出ていた通貨は、公共事業代金の支払いによって金融市場に戻されるのであって、政府が無から創造しているわけではない…

山口先生! 質問です

(引用開始) 「政府の債務残高が国民の金融資産残高にだんだん近づいてきている。だから財政破たんは間近だ」という主張は正しいのか 山口 こういう説をとなえている人たちの頭からは、大事なことが忘れ去られている。それは、「政府債務が増加すると、それに…

人口甘味料を巡る専門家たちのドタバタ劇(5)

普段ならば質問と返答の一往復で終わる筈なのだが、この時は、なぜか、論文著書のreplyの後に、わざわざもうひとつのletterが追加された。勿論、論文に対して否定的な内容なのだが、問題点が網羅的に指摘されていて、当該論文をどう評価すべきかについての総…