高用量ビタミンD補充などという文字を見て腰を抜かしそうになった。脂溶性のビタミンなのだから、まず、過剰症の心配をしてほしい。
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/uos-hdo052120.php
記事中で紹介されているBMJ,Nutrition,Prevention and Healthの短報も、研究者のコメントも、おおよそ妥当なものだと思う。
おそらく、重症患者にビタミンD欠乏者が多かったとか、ビタミンD摂取量の多い国で重症患者が少なかったとかいうレポートを基に、頭の中ででっち上げた「治療法」なのだろうが、とても、バランスの取れた知識の持ち主が考案したものとは思えない。考案者が誰かは分からないが、「高カルシウム血症ってご存知ですか？」と尋ねたら、答えられないのではあるまいか？
わざわざ科学的根拠がないという短報が発表されたということは、医療関係者の中にも、こんな怪しげな「治療法」に飛び付きかねない輩がいるということだろう。何だか頭が痛くなってくる。
