確かに、単位あたりの動脈硬化への影響力は、脂肪酸の中ではトランス脂肪酸がいちばん大きい。このことは、様々な調査によって、既に裏付けられている。しかし、普通の食生活をおくっている人ならば、トランス脂肪酸の摂取量などは微々たるものである。
現実的には、飽和脂肪酸の摂り過ぎの方が、遥かに影響力が大きい。バターや肉の脂身を不必要に摂取する食生活を野放しにして、トランス脂肪酸ばかりを神経質に取り締まっても、公衆衛生上の価値は乏しい。
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High-level event: Trans fat elimination validation ceremony
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顕彰されたのは、デンマーク、リトアニア、ポーランド、サウジアラビア、タイだが、これらの国がすべて飽和脂肪酸の摂取量を抑制できているかどうかは全く怪しい〈笑〉。
ちなみに日本では、トランス脂肪酸の含有量の表示すら義務づけられていないが、これは、実際の摂取量が少なく、特に規制の必要がないためである。決して、食品安全委員会の面々が大企業から理由のつかない金品を受け取っているから、というわけではない、、、と思うが、よくわからない。