マーガリンは毒なのか?

 トランス脂肪酸についての情報が、かなり歪んだ形で伝わっているようだ。あらかじめ断っておくが、そんなゆるいニュースサイトなんか見てんじゃねえよ、という批判は受け付けない〈笑〉(⇩)                       

https://maidonanews.jp/article/14570857

(⇧)メーカー側の研究努力によって、マーガリンのトランス脂肪酸含有量が飛躍的に減少している、、、なんてことは、この子の親は知らないんだろうなあ〈笑〉。

 確かに、脂肪酸の中では、トランス脂肪酸は心血管疾患を悪化させる効果が最も高い。ただ、日本国内では、よほど偏った食生活をしていない限り、実際に悪影響が生じるほどの量など摂取できない。それならば、脂身の多い肉の食い過ぎによる飽和脂肪酸の過剰摂取の方が、よほど心配だ。近年、日本人の肉の摂取量が欧米のレベルにかなり近づいているからである。

 欧米では、ひと頃、メーカーが大量生産品に安易にマーガリンやショートニングを多用し、貧困層ほどそのような製品を購入しがちであったため、現実的な危機として認識されるようになった。だが、これも徐々に改善されている。今さら危機を煽るような問題ではないのである。


追記

 十年ほど前だが、知人から貰った台湾みやげのお菓子にトランス脂肪酸の含有量が明記されているのを発見して驚いたことがある(封を切って食べる前に成分表をしげしげ眺めるのは私の悪い癖である)。

 単なる対欧米キャッチアップ戦略なのか、それとも、既に充分に飽和脂肪酸の摂取量が多い等の事情があるために、リスクを上昇させるものは微量であっても表記させることにしたのかは判然としない。