♪さかな、さかな、さかな・・・魚を食べても、、、( EurekAlert! Science Newsの紹介)

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-07/ksom-swp071720.php

 コホート研究のメタ解析は、観察研究の中では最も信頼度が高い。その研究デザインで行われた調査の結果、魚を多く食べている人(≒n-3系脂肪酸を多く摂っている人)ほど、認知機能が低下しにくかったり、アルツハイマー病になりにくかったりという傾向が見いだされている。研究者たちが色めき立つのは当然のことと言えよう。

 しかもながら、この結果を受けて実施された介入研究の成果は、ことごとく「外れ」としか表現しようのないものに終わっている。時折、良好な結果が報告されるが、数の上では偶然の範囲を出ない。何故、こんなにも結果が食い違うのか?

 上のリンク先の記事で取り上げられているのは、この問題を解くための手がかりを提出したものだ。その研究によると、魚を食べたりn-3系脂肪酸サプリメントを摂ったりすると、血中濃度は大きく上昇するのだが、脳脊髄液中の濃度はほんの少ししか上昇しないのだそうだ。

 ただし、それを補うために投与量を増やそう、という、単純な発想には賛成しかねる。そもそも、脳脊髄液中の濃度が期待通りに上昇したとして、それが良いアウトカムに結びつくのだろうか?