ビタミン剤では重症化は防げない

 zinc(亜鉛)はビタミンじゃなくてミネラルだろ、、、という細かいツッコミを入れたくなったら、あなたは立派な栄養学オタクである(⇦いや、それ、全然嬉しくないから)。

https://www.eurekalert.org/news-releases/943870

 感染症流行の初期にビタミンD仮説なるものがあったのをご存知だろうか?

 重症患者の血清ビタミンD濃度が有意に低かった、という小規模な症例対照研究の結果を、そそっかしい莫迦ども、、、もとい、専門的な知識をお持ちでない方々が、不適切に解釈してしまったために生まれた珍説である。そもそも症例対照研究は、交絡要因を完全に排除出来ないため、因果を確定するには向いていない。

 栄養素は医薬品ではない。極端に不足していれば悪い結果に結びつきやすいが、余計に摂ったところで、よい結果を生んだりはしない。また、症状が悪化した結果として余計に消費され、血清濃度が低くなっている可能性もある。

 因果関係は、介入研究の結果が出揃ってから判断したいものだ。

 という訳で、これまでの介入研究を幅広く渉猟し、再解析した研究。案の定、効果ナシ。