ビタミンDは万能薬ではない

 今世紀に入ってから、観察研究データの分析に基づいて、ビタミンDが、心血管疾患や2型糖尿病、果ては鬱病に対しても高い予防効果を持つという論文が次々と発表された。しかし、ここ数年間で、悲しいことに、それらの論文の大半が、分析手法の不備によって交絡要因を適切に補正出来ていない「疑似相関」(より正確には「非因果的相関」)であったことが明らかになりつつある。

 これは、日本での介入研究で、2型糖尿病を食い止める効果は、案の定なかった。(⇩)

Vitamin D does not prevent type 2 diabetes in high risk adults, trial finds

25-MAY-2022

https://www.eurekalert.org/news-releases/953623

(⇧)骨密度に対しては効果アリ。但し、これも、たんぱく質およびカルシウム等の摂取量が適切で、日常的な運動量が充分、、、といった条件が満たされている場合だ。ビタミンDだけ飲んでも効果はない。