医薬基盤・健康・栄養研究所は公的な責任を考慮して胡散臭い論文に基づいたニュースの発信を自制すべきである

 元の論文をチェックするまでもなく、eurekalertの記事を走り読みしただけでも、分析対象のデータがフランスのNutriNet-Santeであることが分かる。仮にも専門家であるならば、この時点で眉にツバをつけるべきである。チェックのきかないネット上の自己申告の食事データである上に、男女比率が2対8と大きく歪んでいる。まともな研究者なら、そもそも研究対象に選ばない。健栄研の中の人、聞いてますか〈笑〉?

 案の定、このデータを利用する連中の論文は、常に結論ありきである。曰く、人工甘味料は体に悪い。曰く、超加工食品は体に悪い。 etc. and so on(⇩)

https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=78815&-lay=lay&-Find.html

 eurekalertの元記事はこちら(⇩)

https://www.eurekalert.org/news-releases/963879

 BMJに掲載されたのだからそれなりに信頼できるのだろう、などと、安易に考えてはいけない。複数の編集者の中に一人変な人が紛れ込んだだけでも、結論ありきの杜撰な論文がacceptされる可能性は高くなる。また、査読者が調査方法や分析方法の不備を見落とすこともある。

 

 毎度お馴染み(?)SMCが専門家のコメントを公表している。(⇩)

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-suggesting-possible-link-between-artificial-sweeteners-and-heart-disease/

 特に注目してもらいたいのは、最後(5人目)にコメントしているDuane Mellor博士の1段落目と2段落目の部分である。

 都合の良い結果を出すために、データの入れ替えをしながら試行錯誤(?)していることが強く疑われる。