誇大な表現を伴うプレスリリースについて(利益相反に対するチェックは機能しているか?)

 1つ前のエントリーで取り上げた、食事介入の論文についての続報。

 論文の共著者の一人に、研究機関に所属していない人がいることが気になっていたのだが、どうやら、この人が誇大な表現のプレスリリースに関わっていたとおぼしい。元・医師で、現在は健康食品の類を開発・販売している企業の創業者であるという。論文中で介入研究に使われていた食品は、もちろん、この企業の製品である。これはわかりやすい〈笑〉。(⇩)

https://www.eurekalert.org/neus-releases/940695

 (⇧)となると、この論文が、なぜ査読をパスして学術雑誌に掲載されたのか、という点が気になる。研究の手法や得られたデータの分析の仕方には、とりあえず問題がなかったとしても、利益相反の点では問題があるだろう。唯々諾々とアクセプトしてしまってはいけないのではないか?

 『The Journal of Nutrition』は好きな雑誌なので、期待を裏切らないで欲しいのだよ。

 例によって健栄健の『世界の健康・栄養ニュース』による紹介記事を挙げておくが(⇩)。 https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=77089&-lay=lay&-Find.html

(⇧)eurekalertの元記事を批判的に検討するのではなく、ただ写しただけ、といった趣で、すっごく悲しかった〈笑〉。