和風・亜流MMTにかぶれた連中が、カルト的妄説を論拠に難癖をつけ始めるだろうと思ったが、案の定〈笑〉。
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米山隆一は何を間違えているのか | 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」
《引用開始》
もはやどこから突っ込んで良いのか分からないのですが、まずは、
「例えば100万収入がある人が」
って、その100万円はどこから出現したのかと思っているんですかね。神様がポンっと与えてくれたものか何かと勘違いしているのか?
《引用終了》
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労働の対価として得たに決まっている。人によっては、利子・配当や家賃として得たものかもしれないが、それは大した問題ではない。稼いだ額よりも使った額が少なければ、その差額は「その人にとっては」黒字だ。
そして、個人・法人を問わず、市中銀行以外の経済主体が国債を購入する原資は、この意味での黒字である。米山隆一の説明は、「市中銀行が購入する場合を除いて」は(*)、別に何も間違ってはいない。
こちらも、批判したつもりになっているようだが、根本的に間違っている。
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《引用開始》
さらには、そもそも国債を買う貨幣は日銀当座預金であり、銀行預金ではないのですが、もしかして、
「日銀当座預金と銀行預金は違う」
という最低限の知識すらないのでしょうか。
《引用終了》
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銀行預金で国債を買えないという珍説を耳にしたら、日本に限らず、世界中の銀行関係者が腰を抜かすだろう〈笑〉。もちろん、国債は銀行預金で購入することができる。そして、実際に購入した際には、代金にあたる銀行預金が市中銀行から国庫に移動した証として日銀の決済システムの中で日銀当座預金の移動が起こるのだ。この日銀当座預金の移動という表面的な現象だけを見て、日銀当座預金で国債を買っていると「解釈」するのが和製・亜流MMTの流儀らしい。貨幣観がどうこうという以前に、決済システムの基本的な仕組みそのものを理解できていない。
そもそも日銀当座預金は、神様がポンっと与えてくれたものでもなければ〈笑〉、日銀が口座開設記念にプレゼントしてくれたものでもない。口座を開設した法人(金融・証券・生損保 etc.)が、適格担保の規定を満たす資産を日銀に差し出すことによって得たものだ。
MMTはこの点をまるで理解していないので、中央銀行が怪しげな「ぱわぁ」を発揮して勝手に貨幣を生み出し、それを使って自由自在に国債を買うことができると妄想している。逆だよ、逆〈笑〉。市場で価値を認められた資産というものがまずあって、それと対応させる形で発行されるのが日銀当座預金(および現金)だ。だからこそ日銀当座預金や現金は安定した価値を保つことができる、というだけのことである。
前回も述べたが、もう一度繰り返す。妄想を゙論拠に「政府が余計に支出しさえすればすべては良くなる」というスローガンを゙振りまき続ければ、真の原因を「隠蔽」し事態を悪化させるだけの結果を招くことになるだろう。
* 市中銀行が国債を購入する場合だけは、銀行が自らの負債である銀行預金を発行し、バランスシートを拡大する形をとるため、預金通貨が増加する。
〈追記〉
アクセス数かせぎに協力する気はないので、URLは貼りませんが、上記発言の出典は、オフィシャルブログとやらの、2月13日のエントリーです