その「本質的な話」とやらは、ただの妄想だから〈笑〉

 「本家」もさることながら、亜流・MMTのこじらせ具合もひどい〈笑〉。前近代国家よろしく、政府が自らの裁量で通貨を発行する世の中が、現在も続いていると妄想しているのだろう。その妄想を前提に(!)、政府に対して、自分達に都合の良い支出を無理強いすることが、彼らにとっての「政策」であり、「政治活動」であるらしい。

 これでは、特定の与党議員に取り入って利益誘導を図る政商たちを笑えない。

 妄想を事実であるかのごとく装うためには、中央銀行が政府にカネを貸しているという嘘と、中央銀行が政府の子会社であるという嘘の組み合わせが必要だ。普通の人は、嘘に嘘を重ねたりすると良心の呵責を覚えたりするが、彼らにはそんな繊細な神経は無さそうだ。

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日本政府は誰にカネを借りているのか? │ 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12798926303.html

そして、二つ目の大いなる誤解。政府は国債発行で「誰」におカネを借りているのでしょうか?

市中銀行では?」

 と、思われた方が多いでしょうし、一次的には間違っていません。とはいえ、本質的な話をすると、政府がカネを借りている相手は日本銀行です。

 

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 違います〈笑〉。

 まず、対象を「市中銀行」に限ろうとしていることがおかしい。この時点で、事実を歪める意図が見え見えだ。

 市中銀行国債を購入する場合は、対・政府の信用創造でバランスシートの拡大と同時に預金通貨が増加するので、自説に都合が良いのだろうが、実際には、法人・個人を問わず、非・銀行部門もかなりの量を購入している。当然のことながら、この場合は、預金通貨の増加を伴うことはなく、既存の預金通貨で購入することになる。生損保や年金機構はもちろん、証券会社もそうだ。

 さらに重要なのは、中央銀行は発行市場には参加していないことだ。ほんとうは、もうこれだけで、中央銀行が政府にカネを貸しているなどという言い草が嘘であることがわかる。政府にカネを貸したのは、発行市場で国債を購入した経済主体である。

 

 既に市場で買い手のついた国債を、現金や日銀当座預金を発行する際に担保として押さえるのは、別に、政府にカネを貸すためではない〈笑〉。単に、国債が日銀の「適格担保」の規定を満たす、高品質な金融商品だからである。