MS増加の始発点

 MS増加の始発点は、民間銀行による信用創造である。
 しかし、、、
 貸し付ける相手が民間の経済主体である場合にはこれを理解できている人が、政府が相手の場合となると、途端にこの原則を忘れて、舶来の珍説に飛び付いたりする。
 奇観というべきであろう。

「これに関連して最近の金融情勢報道につき述べておきたい。近年(2008~2013年)の金融情勢につき、新聞・雑誌の報道では「銀行は、預金は集まるが、貸出先がないのでもっぱら国債を購入している」と伝えられることが多い。確かにミクロの銀行行動としては、そのように見えもし、解釈されもしようが、これをマクロの視点で見ると、全く逆。銀行が国債を買うから、引受けるから、それによる調達資金が政府によって支払われ、それが預金となって銀行に集まってくる(つまり対政府与信を始発とするMS増現象)、と解するのが正しい。」(2015,横山昭雄,『真説 経済・金融の仕組み ー最近の政策議論、ここがオカシイ』,日本評論社)

⇧日銀生え抜きの実務家による貴重な証言、、、なのだが、聞き手の側に、虚心に耳をかたむける姿勢がなければどうしよもない。
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