〈素朴な疑問〉わかりやすさのために代表的な例(だけ)を挙げるのは本当に適切なのだろうか?

 とある経済系のブログで、日銀の当座預金が新たに創出された時の仕訳が記されているのを見かけたのだが、これに、ちょっとした違和感を感じてしまった。そこには、

  日銀  国債/当座預金

 と、あったのである。

 おそらく、わかりやすさを考えてのことで、他意はないのだろうが、より穏当な理解を促すためには、

  日銀  適格担保/当座預金

 と、記されるべきではなかっただろうか?

 確かに現状では、日銀に限らず、(いわゆる)先進諸国の中央銀行では、国債がこの取引の主役になっている。しかし、必ずしも国債と引き替えでなければ当座預金が発行できないというわけではない。他にも適格担保と看做されるものは存在するのだ。

 上に記されたような国債/当座預金という仕訳では、「国債以外のもの」に対する理解につながりにくいというのではないかという懸念が、おそらく、私の感じた違和感の正体であろう。