統合政府とかいうタワゴト(2)

 協調した行動をとることが、「統合政府」と看做すべき根拠(のうちの一つ)であるらしい。しかし、それは、はたして根拠になり得るのだろうか?

 伯爵の罠から脱出するという目的さえ一致していれば、「ルパン」と「銭形のとっつぁん」でさえ協調した行動をとる可能性はある。

 仮に、この時の二人の行動を、descriptiveに辿った上で、「この二人は、実は、仲間である」という結論を導き出した学者がいたとしても(←いや、そもそも学者はそんなことしないから)、そんな内容の論文はrejectされるに決まっているし、悪くすれば、学位をチダツされてしまう恐れさえある。

 いかに見事な連携が観察されたとしても、「ルパン」は大泥棒であり、「銭形のとっつぁん」はインターポールの刑事に決まっている。はじめから過剰な期待や願望を持って観察を始めるから、そんな初歩的なことさえ忘れ去られてしまうのだ。

 いい歳をしたインテリやエリートが子供向けのアニメよりもレベルの低い空想にふけるのは、いい加減にやめておいた方がよい。


〈追記1〉
 「伯爵の罠から脱出すること」の先にある目的が、「お姫様を救い出すこと」なのか、「組織的な犯罪を暴くこと」なのかという点で異なっていたとしても、協調した行動をとることの妨げにはならない筈である。…多分。

〈追記2〉
 実は、私は、この映画を見たことがありません。