前のエントリーで取り上げた論文モドキが IARC のプレスリリースでネタとして使われている。SMCがこれをひとまとまりの問題として専門家にコメントを求めている。当然のことだが、批判的な内容だ。
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IARCといえば、れっきとしたWHOの下部組織だ。
WHOの一部門がそんないい加減な論文モドキを利用しているということに奇異の念を抱く方がいるかもしれない。しかし、実は、このIARCなる組織がレギュラトリー・サイエンスの進歩やevidence based medicineの蓄積から目を背けてガラパゴス化していることは、専門家たちの間では随分前から公然の秘密になっていた。とはいえ、これだけなら、単に怠惰や不勉強の問題である。
悪いことに、危機を煽って飯のネタにしているような連中が、そのガラパゴス的な状況を奇貨として、この組織に寄生し、自らの主張の権威づけに利用しようとしている。こうなると、国際的な組織の怠惰や不勉強は、明らかに有害である。
ちなみに、こうした寄生虫的活動家たちの近年の最大の「成果」が、グリホサート=発がん性物質というイメージの拡散である。