穀物輸出国であるロシアとウクライナが戦闘中であるのだから、充分な量の食糧を確保出来なくなる国が出てくるだろうことは、別に専門家じゃなくても予想できる筈だ。特に、貧困国とか低所得国とかいわれる国は被害を受けやすい。
ちなみに、投機マネーの野放図な流入によっても、貧困国の庶民は飢えに苦しむことになる。罪深い行為というべきだろう。何らかの規制が必要だ。
しかし、である。
現時点での例としてスリランカを挙げるのは、明らかに不適切だ。なぜなら、スリランカは昨年の馬鹿げた農業政策(の失敗)によって、別に露宇戦争なんぞなくても、既に、充分に、食糧危機と呼ぶべき状況に陥っていたからである。
幸い、その非現実的な農業政策は半年ほどで撤回された。しかし、半年程度では、まだ農業部門の傷は癒えていないだろう(⇩)。
よろずおぼえがき
2021-11-14
こちらは、現実的で妥当な方向転換です(でも、最初の方針がヒドかった)
奇妙な幻想を抱いている人が多いようなのだが、有機農業なるものは決して理想的な農法ではない。収量が多いわけではないし、環境負荷も意外と大きい。食味や栄養価の面で優位性があるかのように喧伝する向きもあるが、大抵は眉唾ものの主観的な「意見」に基づいている。
スリランカで国内農業を全面的に有機農業にするという政策が実施されると聞いた時は、何かの間違いではないかと思った。そんなことが成功する筈がないからだ。
不幸中の幸いというべきか、この政策は半年ほどで放棄されるようである。
Sri Lanka junks organic farming 6 months after overnight ban on chemical fertiliser imports
SAMYAK PANDEY 3 November, 2021
国家予算を投じて有機農業比率を上げようとしている愚かな国もあるようだが、考え直すべきである。そんなものに公費をつぎ込む価値などない。富裕国のごく一部の人が道楽として楽しんでいればそれで良いだけの話だ。また、現実的に、富裕国のごく一部の人向けの道楽としてしか成り立つ可能性などないのだ。
CEO9266