毒性試験についての(やや妄想的な)疑念

 仮に、イヌがこの世界を統治していて、ヒトは実験動物として飼育されていたとする。

 この状況で、チョコレートなるものの毒性を検証するために、比較的小柄な幼児を対象に経口試験を実施し、そこで得られたNOAELに安全係数を掛けて、基準値(ADI)が決定されたとしよう。

 この基準値に従って、その範囲内でチョコレートの摂取を楽しむことは、イヌの健康という観点から見て、果たして妥当な行為であろうか?


 当然ながら、これは適切ではない。この基準値を公表したイヌの世界の食品衛生委員会には、批判が殺到することだろう。


 消化管試験、代謝経路、アレルギー物質(etc. and so on)の調査が、どうしても必要なのである。そのために必要な予算や人員は、「忖度」などせずに、正々堂々と請求されるべきだと思う。