ロン・デサンティスのネオフォビア

 州知事がこれで務まるのなら、フロリダ州ってのは、けっこう楽しいところなのかもしれない〈笑〉。もちろん培養肉、おっとっと、皮肉である。

 ただ、自分が理解できないものをとりあえず拒否して見せる、という姿勢は、政治家の処世術としては意外と有効なのだろう。ネオフィリア(©ライアル・ワトソン)は少数派で、新しいものを見たら眉にツバをつけるのが普通の庶民だからね。

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Gov. DeSantis favors bills to keep lab-grown meat out of Florida

https://www.foodsafetynews.com/2024/02/gov-desantis-favors-bills-to-keep-lab-grown-meat-out-of-florida/

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 販売はともかく、培養そのものも禁止とは、スゴイ法案だ。研究・開発そのものが進展しない。

 でも、当面は心配しなくても大丈夫だよ〈笑〉。よほどの技術革新が起こらなければ、採算がとれないから。商品として流通するのは、まだまだ先のことだね。環境負荷も、今のところかなり大きくて、地球に全然やさしくないし、、、

北欧諸国は先進国か?

 単なる怠慢であれば良いのだが(いや、決して良くはないのだが〈笑〉)、望ましい結果が出た時だけ学術誌に投稿して、望ましくない結果が出た時は握りつぶす、という、不埒な研究者や研究機関が一定の割合で存在しているという理由であれば、この報告内容は、かなり深刻な問題を孕んでいる。

 学者だか政治活動家だか区別がつかないような輩の多い学問分野もあるらしいが、よりにもよって医学の臨床研究だ。北欧諸国は、一応、先進国であった筈だよな〈笑〉。

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Medical Research in Nordic countries going to waste by not being published

https://senseaboutscience.org/activities/nordic-trial-report/

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 研究テーマごとに、近年の北欧諸国の研究者の論文を抽出して、ファンネル・プロットを作成してみたら面白い結果が出るかもしれない、、、などと妄想してしまった私が、実は1番不埒な輩である可能性が高い〈笑〉。

 

【(良くない)記事の紹介】〈笑〉 わさびは高齢者の記憶力を向上させる|医師向け医療ニュースはケアネット

 医師向け医療ニュースでこんなタイトルをつけてはいけない。せめて「向上させる」ではなくて「向上させる?」ぐらいにとどめておくべきだった。

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https://www.carenet.com/news/general/hdn/57723

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 この記事だけ見ると素晴らしい結果が出たかのように錯覚しそうになるが、元の論文を確認すればわかるように、何種類ものテストのうちの大半には有意差がなく、たまたま、いくつかに違いが見られたというだけのことである。

 これまでも何度か指摘していることだが、一度の調査にいくつもの評価ポイントを詰め込むと、そのうちのいくつかには、偶然、有意差が観測されてしまう。だから、マトモな研究者なら、避ける筈のやり方だ。

 ところが、「食品企業が資金を提供している研究」では、むしろ、この手口を積極的に使っているのではないかと疑われる例が多い。嘘でもいいから、形の上だけでも効果があったかのような「成果」が欲しいのだろう。レベルの低い学術誌であっても、掲載されさえすれば、機能性食品の申請に使えるからね〈笑〉。

 きちんと勉強している医師なら、元の論文に目を通しさえすれば、ほぼ確実に根拠薄弱であることに気づくだろう。しかし、この記事だけしか読まなかった場合、「わさびは記憶力改善に効果アリ」という「印象」だけがインプットされてしまうかもしれない。要注意である。

 親切なことに、McGill大学のサイト内のコラムでツッコミを入れてくれている。まあ、穏当な内容であると言えよう。

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https://www.mcgill.ca/oss/article/health-and-nutrition/wasabi-more-just-sushi-condiment

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 冒頭で、こういう野菜の仲間だと色々と例を挙げているくだりをみて、「ああ、そういえばアブラナ科だったな」と思い出すあたり、私もまだまだ修業が足りない(⇍何の修業?)。

地方紙の記者の食品添加物に対する認識はこの程度なの?

 地方紙とはいえ、仮にもコラムを執筆するような人物が、最近になってこの程度のことに驚いて認識を改めたというのだから、日本の未来は暗い〈笑〉。

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食品添加物の現実 | 雷鳴抄 | 下野新聞SOON(スーン)

https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/852619

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 必要なのは、行政のより一層の消費者への働きかけなどではなくて、マスコミ関係者が必要最低限の勉強することに決まっているじゃないか〈笑〉。人のせいにするんじゃない。

 

飽和脂肪酸を摂り過ぎていない、という条件のもとでのみ意味のある顕彰

 確かに、単位あたりの動脈硬化への影響力は、脂肪酸の中ではトランス脂肪酸がいちばん大きい。このことは、様々な調査によって、既に裏付けられている。しかし、普通の食生活をおくっている人ならば、トランス脂肪酸の摂取量などは微々たるものである。

 現実的には、飽和脂肪酸の摂り過ぎの方が、遥かに影響力が大きい。バターや肉の脂身を不必要に摂取する食生活を野放しにして、トランス脂肪酸ばかりを神経質に取り締まっても、公衆衛生上の価値は乏しい。

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High-level event: Trans fat elimination validation ceremony

https://www.who.int/news-room/events/detail/2024/01/29/default-calendar/high-level-event--trans-fat-elimination-validation-ceremony

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 顕彰されたのは、デンマークリトアニアポーランドサウジアラビア、タイだが、これらの国がすべて飽和脂肪酸の摂取量を抑制できているかどうかは全く怪しい〈笑〉。

 ちなみに日本では、トランス脂肪酸の含有量の表示すら義務づけられていないが、これは、実際の摂取量が少なく、特に規制の必要がないためである。決して、食品安全委員会の面々が大企業から理由のつかない金品を受け取っているから、というわけではない、、、と思うが、よくわからない。

完全民営化にストップはかかるのか?

 内容よりも、『産経新聞』に独自調査の能力が残っていたことに驚いた〈笑〉。まあ、記者と個人的に親しい議員か議員秘書が教えてくれたんだろうね。

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〈独自〉郵政民営化方針撤回、金融2社の株式保有継続 自民、通常国会にも改正法案提出検討 - 産経ニュース 

https://www.sankei.com/article/20240106-BCQMIUNAE5MBJCJDV4N6MHSZ3A/

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 「提出」の「検討」ねぇ〈笑〉。あまり期待できないな、これは。

 これが、再公社化や再国営化の検討だったら、大スクープなんだけど、、、

反対尋問権

 一般論として聞いてもらってもいいし、最近のニュースを念頭において聞いてもらってもいい。

 

 反対尋問を経ていない「証言」に基づいて判決が下され、猶予期間も考慮されずに刑の執行が行なわれるようなことがあれば、それは、もはや近代国家と呼ぶに値しない。

 たとえ、その証言が生々しい記述であったり、悲劇的な内容であったりしても、それは、反対尋問を経ずに証拠として採用して良い理由にはならない。

 だから、もし、厳しい反対尋問のプロセスをくぐり抜け、物証などでしっかり裏付けられたものであるならば、その証言は、然るべき重みをもって採用されるべきだ。

 

 反対尋問の大切さについて詳しくない人には、とりあえず以下のコラムをおすすめしておく。法律事務所のサイト内に掲載するコラムにしては少々(かなり?)変わっているが〈笑〉、内容は重要である。中学生あたりには少し難しいかもしれないが、高校生ぐらいなら充分に理解できる内容なので、社会科の授業できちんと教えるべきであろう。

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伝聞証拠~伝聞証拠禁止の法則と反対尋問権~ | 福岡の刑事事件、弁護士が即座に対応

https://mfuklocriminaldiffence.com/column/%e4%bc%9d%e8%81%9e%e8%a8%bc%e6%8b%a0%e3%80%80%ef%bd%9e%e4%bc%9d%e8%81%9e%e8%a8%bc%e6%8b%a0%e7%a6%81%e6%ad%a2%e3%81%ae%e6%b3%95%e5%89%87%e3%81%a8%e5%8f%8d%e5%af%be%e5%b0%8b%e5%95%8f%e6%a8%a9%ef%bd%9e/