【ビタミンD】サプリメントの過剰摂取による外因性中毒【症例報告】

 covid-19の重傷者や死者で、血中ビタミンD濃度が低いことは事実である。しかし、これはあくまで相関関係の水準での話であり、因果関係およびその経路や用量反応が確定された訳ではない。

 しかし、そのような段階で、通販サイトへのリンクを貼って、ビタミンDサプリメントの摂取を煽る記事をいくつか見かけ、呆れてしまった。

 水溶性のビタミン(CおよびB群)なら、少々多めに摂ったとしても、「高価な尿」を製造するだけで深刻な状況には陥りにくいのだが、脂溶性のビタミン(A・D・E・K)は違う。比喩的に言えば、ストライクゾーンが狭いのだ。

 これはブラジルの事例だが、日本でも、「ネットde真実」の「自称・情報強者」が、昨年から今年にかけて同様の症例に陥っていはしないか心配である。

 ビタミンDに限らず、どうしてもサプリメントを使いたいなら、過剰摂取⇨過剰症を避けることを最優先して頂きたい。

Exogenous intoxication by non-prescribed use of vitamin D, a case report.

BMC Geriatr. 2020 Jun 24;20(1):221.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32580697/