「g>r」という虚妄

 何やら、偉い学者サンたちの間で、「g>r」なるものが、静かなブームであるらしい。変な人達だなあ、という印象しか出てこないのは、私の方が変であるせいなのだろうか?

https://komodon-z.net/2020/06/02/corona14/

 偉くもなければ学者でもない立場から見ると、巨額の政府債務が目に見えるような破綻を生んでいないのは、

①先進停滞国(欧米)や先進衰退国(日本)では、利息収入に頼らざるを得ない業界が肥大化している、という条件のもとで(悪いことに、こういう業界は雇用吸収力が極端に低い)

国債の利払い費が、税収の範囲内になんとか収まっている(はみ出してしまえば「リ・スケジュール」を余儀なくされることになる)

 、、、だけのような気がするのだが、違うのだろうか?

 紙切れになる恐れがない(低い)代わりに、値上がり→転売→利益確定というプロセスを期待できない債務証書を購入して保持し続ける理由があるとすれば、利息が確実に支払われることぐらいしかあるまい。

 上記①②の条件が満たされていれば、たとえGDPが減少局面であっても、とりあえず(本当に「とりあえず」)、劇的な破綻を免れうるし、満たされていなければ、たとえGDPが増大局面にあっても、変調をきたす可能性は大いにあるだろう。

 わざわざ、いかめしい数式を使ってからでないと意見の表明もできないなんて、学者サンも大変だなあと、同情することしきりである。

 ねえねえ、正直に言っちゃいなよ。「確実なことは、まだ分からない」って。あやふやな数式を信じているふりをするなんて辛いだろ? 言ってしまえば、きっと楽になるよ(←悪魔のささやき)。