先走り過ぎ

 急を要する状況であることは間違いないが、公衆衛生「研究」に於いては先進国である、、、というプライドが焦りを産んでいるとすれば、それは途轍もなく危険なことである。これに限らず、最近の英国の研究者や研究機関の振る舞いには、首をかしげさせられるものが多い。

 某・医薬品の治癒効果に関する情報なども、そのうちの一つだ。一部で「日本発の医薬品の効果が認められた」などとはしゃいだり、「効果が認められたものを推奨しないのは、既得権益を失いたくない勢力の陰謀によるものだ」などと妄想を逞しくする連中もいるようだが、《認定》する側が正気を保っているかどうかを、まずは検証すべきである。

 確かに、充分な臨床試験の結果を待たずに《認定》することはあり得る。ただ、その場合、その根拠を明示しておくことが、最低限必要であろう。それすらないのであれば、もはや、それは、科学と呼ぶに値しない、何か別の営みであるという他ない。

UK science advisers: publish evidence behind COVID vaccine changes

12 JANUARY 2021

https://www.nature.com/articles/d41586-021-00045-8