悪魔の挽き臼に抗う為なら、デマは許されるのか?

 巨大アグリビジネス企業が主権国家の食糧安全保障を脅かすほどの影響力を握るのは、確かに大きな問題である。当然のことながら、そこに、何らかの形で、政治的な規制を施すことは許されてよい。しかしながら、その根拠として、科学的な観点からは荒唐無稽なデマを流して、徒に危機感を煽ることは許されてよいものだろうか?

 より具体的には、各国の設定した基準をクリアした遺伝子組み換え作物に対して、あたかも健康被害が生じるかのような言説を流布させるような行為は、許容されるべきか否か、という問題のことを言っている。

 結論から言えば、そこには一切の理はない。たとえ、そこに、主権国家の食糧安全保障を守るという大義名分があったとしても、である。