ゲノム編集技術によるアレルギー低減卵

 鶏卵は栄養価が高いわりに値段の安い食品なので、品不足と価格上昇は深刻な問題だ。報道では外食チェーンが対応に苦慮しているというニュースばかりが多かったが、本当は、家庭料理で利用しにくくなることの方が悪影響は大きい。解決はまだまだ先のことになりそうだが、悩んでいても仕方がないので、将来に希望の持てる話題を少々。

(⇩)

アレルギー低減卵、実用近い? = ゲノム編集、安全性確認 - 広島大とキユーピー

https://sp.m.jiji.com/article/show/2934413

(⇧)

 念のため確認しておくが、社名は「キューピー」ではなく「キユーピー」である(⇦いや、今はその話題はいいから)。

 この技術が商業化されたら、卵アレルギーの人達の大半が卵料理を食べられるようになるということだ。単に栄養の面からだけではなく、食生活全般を充実させるのに役立つだろう。

 

 ただ、ゲノム編集は、問題となる物質を「削る」方向での品種改良には抜群の強さを持つ反面、優れた形質を「付け加える」方向には不向きである。遺伝子組み換え技術がどうしても必要な理由はその点にあるのだが、日本では(欧州も?)忌避感情を煽る人が多くて、商業化はおろか、研究すら遅々として進まない。これは非常に残念なことだと思う。