「健全財政」は「失われた20年」の元凶ではない

 確かに、財務省主導の健全財政志向は、共犯ではあるだろう。だが、決して主犯ではない。主犯は企業部門である。この程度のことは、「民間無罪」とか「全部政治のせいだ」とかいうイデオロギー(偏見)に幻惑されずに数値を眺めていれば、すぐに理解できるような、単なる《事実》に過ぎない。

 しかし、である。

 既にご存知ではあろうが、念のため付け加えるなら、その背後には教唆犯が存在している。それは、手持ちのカネを転がすことによって得られる儲けを増やそうとして、株主至上主義的な論説(モドキ)を発信し続けてきた資産家層、及び、そうした連中の太鼓持ちを務めてきたメディアである。

 日本では、日●経●新聞などがそれにあたる(⇦伏せ字の意味が全く無いが、細かいことは気にするな〈笑〉)。その影響で、本来は堅実な「ものづくり」を経営理念として掲げる企業まで、株の売買に血道を上げるようになってしまった。