医療「風」伝統文化

 貧困国でも標準的な医療を受けられるように尽力するのがWHOの役割だろうに。たとえ歩みは遅くとも、投げやりになってはいけない。

 この類は、医療風伝統文化とでもいうべきものであって、決して医療ではない。治療効果を謳って施術を施していたら取り締まってくれ、とか、人口一万人あたりの医者の数が20人に近づくように医師育成に力を入れてくれ、とか、各国政府に依頼するのがWHOの本来の仕事だ。お墨付きを与えるなど、正気の沙汰とは思えない。

 医者や医学研究者は、きちんと抗議した方がいい。(⇩)

WHO Global Centre for Traditional Medicine (GCTM)

https://www.who.int/initiatives/who-global-centre-for-traditional-medicine

 1980年代頃の中共(中国共産党)が盛んに「中・西医混合」などというスローガンを唱えていた。日本のおめでたい進歩的知識人達は、双方の長所を取り入れたハイブリッドと勘違いしていたが、何のことはない、医師の育成が遅れて不足しているのを誤魔化すために、自然な回復が見込めない症状の場合はすぐに報告することを義務付けた上で、民間療法の施術者に暫定的に資格を与えていたに過ぎない。