「新陳代謝」? ガン細胞の増殖を促しているだけのような気が、、、

「中小企業減 容認へ転換

政府、社数維持の目標見直し 新陳代謝促し生産性向上

2020年7月17日 2:00 [有料会員限定記事]

政府は中小企業数の維持を狙った従来目標を見直す。これまで掲げてきた「開業率が廃業率を上回る」との表現を近くまとめる2020年の成長戦略から削る。中小企業は新型コロナウイルス禍で経営環境の厳しさが増している。統廃合を含めて新陳代謝を促し、全体の生産性向上をめざす方針に改める。」


 「経営環境の厳しさが増している」のならば、厳しさをやわらげてやるような政策を工夫するのが政治の役割なのだが、このクズ共には、そういう発想は無いらしい。平時で、かつ好況期であれば、突き放すような対応も必要だろうが、今がそういう状況でないことぐらい、子供でも理解できそうなものだ。比較的体力のある大企業すら早期退職者を募っているということを、もっと深刻に受けとめた方がよい。

 それに加えて、この記事の書きぶりもおかしい。「新陳代謝」だの「生産性向上」だのと、何やら望ましい方向に舵を切るかのような粉飾をしているが、中小企業が潰れたり、会社ごと安く買い叩かれたりすることに歯止めがかからなくなれば、全体としては、そこそこの給与を得て働く人の数が減って、最低賃金でも働かざるを得ない人の数が増えることになる。素人ならともかく、仮にも「経済新聞」の記者ならば、そのような視点も持っていて然るべきではないか?

 ファミコン脳の与党議員と経産官僚がRPG感覚で政治ゴッコをやるからこうなる。しかも、それを報道する「自称」クオリティーペーパーの記者が明らかに幼稚である。

 こうした流れを歓迎しているのは、人件費をケチること以外では利益を上げることのできない残念な上場企業経営者と、その利益に寄生虫のように群がる投機屋(投資家という呼び方は適切ではない)ぐらいのものだろう。国民経済全体を人体とするならば、この手の連中はガン細胞のようなものだ。ガン細胞を勢いづかせてどうする?